AQ6380は次世代通信ネットワークに使用される光トランシーバやコンポーネントの研究開発に必要な測定性能を備えた、分散方式のベンチトップ型光スペクトラムアナライザです。
業界最高の波長分解能を実現するだけでなく、高速測定とタッチパネル、APP機能の搭載により測定効率を大幅に向上させます。
従来機種と比べて、CO2を、約74%削減 |
密接に割り当てられたDWDMチャネルや光トランシーバの変調サイドピークを分離できます。
10G 光トランシーバの変調スペクトル測定例
AQ6380は、最も厳しい精度要件を満たすために、Cバンドで±5 pmの波長確度を実現します。また、SおよびLバンドで±10 pm、全測定範囲で±50 pmの波長確度を提供します。
この高波長確度により一部のアプリケーションでは、光波長計の代わりとして使用できます。
AQ6380のモノクロメータは、従来モデルよりシャープな分光特性を備えているため、外部共振器レーザーの残留する縦モードなど近接する信号を明確に分離して正確に測定できます。
外部共振器レーザーの測定例
AQ6380は、80 dBの優れた迷光抑圧性能により、高ダイナミックレンジの測定を実現します。また、測定原理上、スプリアスノイズは発生しません。
迷光抑圧性能
CW 光に特化した新しい感度モード「RAPID」の搭載により、当社従来機種比で最大20倍の速度で測定できます。
モデル | 測定時間 | 感度設定 |
---|---|---|
AQ6380 | 0.23 s | RAPID1(avg. 3) |
AQ6370D | 5.4 s | NORM_AUTO |
※スパン100 nm、分解能20 pm、サンプル間隔2 pm、ノイズレベル約-60 dBmにおける参考値 |
内部光源による波長校正は、外部ファイバーコードを抜き差しすることなく、フルオートかつ定期的に実行できます。
外部光源による波長校正にも対応しています。外部光源の正確な波長を設定することにより、校正を実行できます。
内部光源による波長校正のしくみ
AQ6380には、背面パネルの専用ポートから窒素または乾燥空気を継続的に供給することにより、モノクロメータ内部の空気を置き換えるパージ機構が装備されています。そのため、水蒸気の光吸収現象の影響を受けることなく、正確な光スペクトル測定を実現できます。
パージの効果
APPモードは、測定条件設定から解析結果出力に至るまでお客様をナビゲートするDUT 固有のユーザーインタフェースを提供します。
レーザーおよび光トランシーバ(PEAK、SMSR、OSNR)
光増幅器(ゲイン、雑音指数)
広帯域光源
光ファイバー、光フィルター、FBG(Fiber Bragg Grating)、
ROADM(Reconfigurable Optical Add-Drop Multiplexer)、
WSS(Wavelength Selective Switch)
測定感度の設定は測定時間を大きく左右する要因の一つです。
AQ6380には、2モード/19ステップの感度設定があるため、光信号の種類や必要な最小受光感度に合わせた最適な感度選択により測定時間を短縮することができます。 また、測定感度の設定は数値でも行うことができます。
必要な最小感度を直接入力することにより、適切な感度設定が自動的に選択されます。
RAPID : CW光の高速測定に特化した感度モード
TRAD : CW光およびパルス光測定に対応する従来の感度モード
RAPIDモード
|
TRADモード
|
※感度は、波長1550 nmにおける参考値であり、保証値ではありません。
AQ6380には、さまざまな光システムおよび光デバイスの光スペクトル特性を評価するための解析機能が組み込まれています。測定対象の主要パラメータの自動計算は、特性評価時間の短縮に貢献します。
主な解析機能:
|
|
DFB-LDのSMSR解析例
OSA Viewerは、YOKOGAWA 光スペクトラムアナライザの複数モデルに対応したPCアプリケーションソフトウェアです。(別売のAQ6370 Viewerに同梱)
AQ6380モードは、AQ6380 光スペクトラムアナライザと完全に互換性のあるユーザーインタフェースと機能を備えているため、お客様はAQ6380の波形をPC上に簡単に表示し、解 析することができます。
主な機能:
直接またはネットワークを介して接続されたAQ6380を遠隔制御することができます。
PC画面上には、AQ6380に表示されている画面がほぼリアルタイムに表示され、AQ6380を直接使用している感覚で操作することができます。また、遠隔操作中にAQ6380によって取得されたデータをPCに転送することもできます。
AQ6380は、リモート制御インタフェース(イーサネットまたはGP-IB)を使用して自動測定システムを簡単に構築できます。
リモートコマンドは、AQ6370シリーズやAQ6319と互換性のあるIEEE488.2に適合したStandard Commands for Programmable Instruments(SCPI)に準拠しているほか、AQ6317シリーズで使用される当社独自のリモートコマンドにも対応、既存の測定システムのアップグレードも簡単です。
フロントパネルのファンクションキーに掃引制御(Auto/Single/Repeat/Stop)、分解能設定、感度設定などの頻繁に使用するキーが追加されました。これにより操作ステップが減少し、使いやすさが一段と向上しました。さらに、ファンクションキーを画面にポップアップ表示させ、タッチ操作することもできます。
AQ6380には、USBデータストレージデバイス、マウス、キーボードと互換性があるUSBポートを搭載しています。ファイル機能により、お客様はデータやスクリーンショットを内部メモリーまたはUSBストレージに保存して、テストレポートの作成に使用できます。また、USBポートにマウスやキーボードを接続すれば、PCで操作する感覚でAQ6380を快適に操作することができます。
LAN 接続時は、PCからネットワークを介して内部メモリに保存されているファイルに簡単にアクセスできます。また、PCからファームウェアをリモートで更新することもできます。
アプリケーション(APP)モードは多用途なAQ6380を測定対象デバイス(DUT)専用の測定器に変身させます。
APPモードは、測定条件設定から解析結果出力に至るまでお客様をナビゲートするDUT 固有のユーザーインタフェースを提供します。
お客様はAQ6380の様々な設定を意識することなく使用することができます。
AQ6380には、WDMテスト、DFB-LDテスト、FP-LDテストなどのいくつかの基本的なアプリがプリインストールされています。
また、YOKOGAWAのウェブサイトからダウンロードしたアプリをAQ6380に追加して使用することもできます。
詳細はこちら
APPメニュー画面
WDMテストアプリ
複数のチャネルが狭い間隔で配置されたDWDMシステムの評価では、レーザーモジュールや光トランシーバなどのシステム構成品とシステムの最終出力信号を評価する必要があるため、高い光スペクトル測定性能が必要です。これには、チャネルピークとOSNRの同時測定が含まれます。
AQ6380の広い近傍ダイナミックレンジにより、DWDM伝送システムの正確なOSNR測定が可能になります。また、WDM解析機能は、測定された波形を解析し、最大1024チャネルのWDM信号のピーク波長、ピークレベル、およびOSNRを同時に表示できます。
DWDMのOSNR解析例
レーザーデバイス、レーザーモジュール、光トランシーバなどのWDM伝送システムで使用される光コンポーネントの検査にも高い測定精度が必要です。
これらのアプリケーションには次のものが含まれます。
AQ6380は、シャープな分光特性と高い迷光抑圧性能により、近接する光スペクトルピークを視覚化して正確に測定できます。
AQ6380は、ASE光源、SLD光源、スーパーコンティニューム(SC)光源などの広帯域光源と組み合わせて、WDMフィルター、FBG、ROADM、WSSなどのパッシブ光デバイスやコンポーネントの評価を簡単に実行できます。AQ6380の優れた光学特性により、より高い分解能とより広いダイナミックレンジの測定が可能になります。内蔵の光学フィルター解析機能は、ピーク/ボトム波長、レベル、クロストーク、およびリップル幅を同時に求めることができます。
AQ6370 Viewerは、PC上で動作するアプリケーションソフトウェアです。
AQ6370 Viewerには、PC上で動作する AQ6380とAQ6370シリーズ、AQ6360光スペクトラムアナライザに対応した11種類のViewerソフトウェアが入っています。
光スペクトラムアナライザAQ6380は、次世代光ネットワークに使用される光トランシーバやコンポーネントの研究開発に必要な測定性能を備えた光スペクトラムアナライザです。
業界最高の波長分解能を実現するだけでなく、高速測定とタッチパネル、APP機能の搭載により測定効率を大幅に向上させます。
【検索キー】 AQ6, AQ63, AQ638, AQ