無線接続での遠隔監視ソリューション

無線接続での遠隔監視ソリューション

概要

スコープコーダは、ディジタルオシロスコープと多チャネルデータレコーダを融合したモジュール方式の統合型計測器です。オシロスコープのようなトリガを使った繰り返し波形の補足や、データレコーダのような長時間記録が可能です。

ポータブル スコープコーダ DL350は、その小型・軽量のボディを生かし、プラントや発電所、ビルなどにおいての様々なセンサー信号や電源ラインの異常監視、自動車など輸送機器のインバータ/モーターや制御機器の信号の測定・記録にご利用いただいています。

近年は、無線通信技術の発達に伴い、配線が不要な無線通信と遠隔監視が求められています。

このアプリケーションノートでは、ポータブル スコープコーダ DL350を使った、無線接続での遠隔監視ソリューションを紹介します。

ポイント

DL350には、以下の特長があります。

フィールドでの測定に適したコンパクト設計ながら、最大100MS/sの高速サンプリングで高速信号を捕捉
電源波形トラブルなど様々な異常を効率よくとらえる豊富なトリガ機能
厳しいノイズ環境でも確実な操作(抵抗膜式タッチパネル採用)
オシロスコープの操作性のスコープモードとデータレコーダの操作性のメモリーレコーダモードを搭載
操作ナビゲーション(かんたん設定)で、不慣れなユーザーも手順に沿って設定可能
オートセットアップ機能で最適な時間軸と振幅で波形を表示
CAN/CAN FD/LIN/SENTバスのトレンド表示
GPS位置・速度・時刻同期
トリガ時のメール送信やデータの自動保存機能があり、間欠的な不具合の遠隔監視に最適
AC/DC/バッテリ駆動の3WAY電源

スコープコーダ DL350

スコープコーダ DL350

遠隔監視ソリューション

1. 無線LAN

1.1 無線LAN子機

無線LANルーターを用い、DL350PCを接続します。アクセスポイントのルーターはWANに、DL350およびPCは子機に設定します。アクセスポイント経由で、無線LANで複数のスコープコーダと通信することも可能です。

無線LAN子機

通信可能範囲、通信速度等は、市販の無線LANルーターの仕様および環境によっても異なります。

1.2 SDカード内蔵無線LAN

SDカードには、無線LANの機能を持つものがあります。このSDカードをDL350のスロットに装着すると、SDカードに保存したデータファイルを、無線LAN経由でPCに読み込むことが可能です。なお、PCからDL350の制御はできません。

測定データの書き込み動作中に、WiFi経由でのファイルアクセスを行わない でください。書き込みデータの欠損・遅延が発生する場合があります。

 

2. M2M通信

M2MMachine to Machine)通信は、機器間の通信を意味します。M2MルーターをDL350PCにそれぞれ接続すると、通信事業者の仮想閉域網(VPN)内でDL350の制御やデータ転送が可能です。

インターネットを経由しないため、データ漏えいのリスクは軽減されます。また、クラウドやサーバーが不要なため、投資を最小限にすることができます。日本国内の携帯電話サービスエリア内ならどこでも利用可能です。

ご利用には通信事業者との契約が必要です。

M2Mルーターを使った接続例

M2Mルーターを使った接続例

3. SecomeaIoTゲートウェイ

DL350Secomea社のIoTゲートウェイと専用サーバーを組み合わせることで、携帯電話回線網を使って、あたかも構内LANで接続した感覚で事務所・監視所からスコープコーダの遠隔操作、各種センサー出力のモニタリングおよびデータ転送が可能です。

自動車や鉄道などに搭載し、走行中の計測も可能。
海外拠点との通信も可能。海外工場のDL350を遠隔操作するなど、不具合解析に大変便利です。

Secomea社 IoTゲートウェイを使った接続例

SecomeaIoTゲートウェイを使った接続例

※ Secomea社は、2008年にデンマークで設立された、IIoTソリューションの グローバル企業です。
  URL: https://secomea.co.jp/

事例:電源ラインの遠隔監視

電源ラインの間欠的な異常を遠隔監視します。

電圧・電流、温度、振動などを同時に記録
ウェーブウインドウトリガを使った電源異常の確実な補足
高調波解析機能を使った電源品質の測定

 

事例:走行中の自動車・列車の状態を統合計測

走行中の自動車・列車の状態を統合して計測します。

バッテリやモーター等の電圧・電流や温度、振動、ひずみなどを同時に長時間記録可能。
CAN/CAN FDなど車載通信バスのモニター可能。
GPSの時刻・位置・速度情報を同時記録。走行軌跡をGoogle Earth ProDIAdemで表示可能。

本文中に使用されている会社名、団体名、商品名およびロゴ等は、横河電機株式会社、各社または各団体の登録商標または商標です。

関連業種

関連製品とソリューション

スコープコーダ DL350

DL350は、耐振動性規格JIS D1601準拠の小型軽量ボディーにスコープコーダシリーズと共通の18種類のプラグインモジュールから2つを搭載可能で、電圧、電流、加速度、ひずみ、温度、周波数、ロジックからCAN/ CAN FD/ LIN/ SENT通信データのトレンド計測までの複合計測を一台で行うことができます。

脱炭素

炭素排出量削減に貢献
いま世界は急速な変化にさらされており、エネルギー問題もその一つです。たとえば、自動車などの移動手段は、炭素排出量の削減のため今後より一層化石燃料からの脱却が進み、再生可能エネルギーにシフトしていきます。
よりクリーンでより環境に優しい世界へ。YOKOGAWAは持続可能なエネルギー供給の実現に向けて、高精度計測で貢献しています。

オシロスコープ|波形測定器

オシロスコープは、高速な電気信号を波形として表示するエレクトロニクス技術者必須の測定器です。
ユニークな縦型コンパクトモデルや多チャネルモデルのオシロスコープに加え、オシロスコープとデータロガーの機能を兼ね備えたスコープコーダなど、特長ある製品ラインアップをご用意しています。
また、様々な測定に対応する電圧プローブ、電流プローブ、ロジックプローブを取りそろえ、数々の先進機能を搭載し、日々の測定業務を強力に支援します。

データロガー|データ収集(DAQ)

高速捕捉・高速転送・高速保存を追求し、ハイパフォーマンスを実現した 高速データロガー、高速データ収集装置です。測定対象に応じたプラグインモジュールを選択、組み替えることで、インバータや電源などに代表されるフローティング電圧測定のほか、各種センサーを直接接続でき、1台で様々な物理量を測定することが可能です。

高速データロガー|スコープコーダ

スコープコーダは、オシロスコープの使い易さと多チャネルデータ収集するデータロガーを融合した統合型計測器です。
スコープコーダ一台で、信号を同時にデータ収録し、オシロスコープと同様のトリガ機能を揃え、データ表示、分析ができ、様々な用途にお使いいただけます。

Precision Making

トップ